光庭の家 / House of the Light Court

敷地は東京都墨田区の住宅地に位置し、北東側の二方向を道路に面しながら、周囲には住宅が密集する都市的な環境にある。施主から求められたのは、1台をゆったりと駐車できるスペースを確保すること、開放的なLDKでありながら周囲からの視線を気にせずカーテンレスで暮らせること、そして吹抜けを介して3階からLDKを見下ろすことのできる、上下階につながりを持った住まいであった。
そこで、周囲に対して無防備に大きく開くのではなく、視線を制御しながら、光と空間の広がりを内部へ取り込むことを設計の軸とした。1階にはガレージと寝室を配置し、家族が集まるLDKを2階へ持ち上げることで、道路や近隣からの視線との距離を確保した。LDKの先にはテラスと大きな吹抜けを設け、上方から取り込んだ光が室内へと広がることで、プライバシーを守りながら柔らかな明るさと開放感を生み出している。
3階には吹抜けに面してホールと書斎コーナーを配置し、LDKを見下ろすことができる。異なる階にいても家族の気配を感じられるとともに、吹抜けを介して光と視線が上下につながり、3階建ての住まいに立体的な広がりをつくり出した。
外観は開口部を慎重に絞りながら、壁面の重なりや高さの異なる屋根によって奥行きを与え、道路際の植栽と建物の陰影によって街並みに穏やかな表情をつくっている。周囲からの視線に対しては閉じながら、内部には光と視線が抜ける。「光庭の家」は、住宅が密集する都市の中で、カーテンに頼ることなく気兼ねなく暮らしながら、柔らかな光と家族のつながりを感じることのできる住まいの提案である。
所在地:東京都墨田区
用途:戸建住宅
クライアント:個人
工事種別:新築
構造:木造 地上3階
敷地面積:105.04㎡
建築面積:76.69㎡
延床面積:144.07㎡
設計:小倉建築計画工房